アイランドキッチンの間取り実例6選｜後悔しない設計ポイントとレイアウトも紹介

アイランドキッチンの間取り実例6選｜後悔しない設計ポイントとレイアウトも紹介

アイランドキッチンは開放感のあるおしゃれな空間が魅力ですが、サイズや動線、収納やコンセント配置など、間取り作りでつまずきやすいポイントも意外と多いものです。

この記事では、理想のアイランドキッチンを実現するために押さえておきたい間取りのポイントや注意点、実例までコンパクトに分かりやすくまとめました。

まずは、基本と失敗しない設計のコツからチェックしていきましょう。

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アイランドキッチンとは？

アイランドキッチンは、部屋の中央に「島」のように独立して設置され、周囲をぐるりと回りこめるデザインが特徴のキッチンです。開放的なレイアウトが人気で、リビングやダイニングと自然に一体感が生まれます。

現代の開放的な生活空間を求める人々に選ばれている、キッチンレイアウトの代表格です。

他のキッチン形式との違い

【ペニンシュラキッチン（片側が壁付け）】

片側が壁に接しているため、アイランドキッチンよりも設置スペースがコンパクトですが、ぐるりと回る動線や全面的な開放感はありません。

【壁付けキッチン】

キッチンが壁に面しているスタイルで、従来の住宅に多く見られます。ダイニングやリビングを背にする配置となるため、部屋との一体感は控えめです。

アイランドキッチンのメリット＆デメリット

アイランドキッチンを選ぶ際は、良い点だけでなく気を付けたいポイントもしっかり把握することが大切です。設計前に押さえておきたい特徴を見ておきましょう。

アイランドキッチンのメリット

アイランドキッチンには、開放的な空間での調理や効率的な動線など、暮らしを豊かにする魅力があります。ここでは、主なメリットと実用性について紹介します。

• 開放的な空間を実現
  壁に囲まれずLDKと一体感があり、リビングまで視線が抜けることで広々とした印象に。家族の様子も自然と目に入るため、安心して料理に集中できる。

• コミュニケーションが取りやすい
  複数人が同時にキッチン周りを回遊できるため、家族や友人と並んで料理をする際も快適。ダイニングやリビングへも声が届きやすく、会話も弾みます。

• 柔軟な動線
  キッチンを中心に複数の動線が作れることで、買い物から収納→配膳→片付けまでの一連の流れがスムーズに。特に、回遊性のある間取りでは家事の負担が軽減される。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチンには空間設計や運用面で注意すべき点もいくつか存在します。デメリットも事前に知っておくことで、後悔のリスクを減らせます。

• 収納が不足しやすい
  吊り戸棚を設置しづらいため、キッチン本体だけでは収納が足りないことが多いです。追加の食器棚やカップボードで補う必要があり、設置場所も動線を考慮しましょう。

• コンセントが不足しがち
  キッチン家電を多く使う場合、アイランドキッチンの標準コンセント数では不足しがちです。追加コンセントの設置は水・油はね対策や工事費用の面でハードルがあるため、バランスを考えて計画しましょう。

• 水や油はねが心配
  オープンレイアウトのため、シンクやコンロの前が通路になる場合、汚れがリビングやダイニング側に広がることがあります。水はね・油はねガード、または十分な距離を確保してメンテナンスしやすい設計にすると安心です。

アイランドキッチンの間取り作りのポイント3つ

おしゃれで快適なアイランドキッチンを実現するためには、間取り計画が非常に重要です。自分の住まいやライフスタイルにぴったり合うキッチンにしたいけれど、どこから考え始めればいいか迷う方も多いでしょう。

ここでは、アイランドキッチンの間取りを決める際に押さえるべき3つの重要なポイントを、わかりやすく解説します。

1.アイランドキッチンのサイズと周辺のスペースを考える

アイランドキッチンの間取りを考える際は、キッチン本体のサイズだけでなく、その周りに十分なスペースを確保することが大切です。

キッチン本体のサイズ

一般的なアイランドキッチンの大きさは、幅180〜300cm・奥行き75〜100cm程度です。

コンパクトタイプであれば180cm×75cmから、広々としたプランなら300cm×100cm以上まで選択肢があります。

周囲の通路スペース

アイランドキッチンは、四方を通路が囲む形となるため、周囲のいずれも通行スペースを確保する必要があります。

人がすれ違ったり水はねを避けたりするには、最低でもキッチン周囲に80〜90cmの幅を取るのが理想的です。

アイランドキッチンの本体と、周囲の通路を合わせた必要面積は約6帖程度になります。

さらに冷蔵庫、食器棚、ダイニングテーブルなどの家具を加える場合、合計8〜10帖分のスペースが必要なケースもあるため、事前に十分な間取りの広さを見積もりましょう。

2.動線はワークトライアングルを意識する

アイランドキッチンを効率的な作業スペースにするには、「ワークトライアングル」の考え方を取り入れるのが有効です。

ワークトライアングルとは、シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ三角形のことで、この3辺の合計が3.6〜6mの範囲内、かつ正三角形に近い形が最も使いやすいとされています。

標準的なI型アイランドキッチンでは、シンクとコンロが横並びのため、冷蔵庫はキッチンの背面に置くのが理想的です。ただし、キッチンの背後に食器棚などが来る場合はバランスも考慮しましょう。

また、冷蔵庫の配置はシンク側かコンロ側に寄せて、三角形が直角に近いレイアウトになることも多いです。その際、冷蔵庫の扉が左右どちらに開くかもしっかり把握しておきましょう。

セパレート型やL型のアイランドキッチンも、基本的にはこのワークトライアングルの考え方を適用できます。セパレート型ではシンクとコンロが向かい合い、L型では45度の角度で配置されるため、特に動線が短く効率的です。

3.部屋のレイアウトはスペースとのバランスを考える

アイランドキッチンを採用する際は、LDK全体のレイアウトとスペース配分も大切です。たとえば「L字型のソファでくつろぎスペースを作りたい」「大きなダイニングテーブルを置きたい」など、家庭ごとの家具配置の希望も考慮しながら計画します。

ただし、アイランドキッチンだけで最低6帖分のスペースが必要になるため、リビングとして自由に使える面積は「LDKの広さから6帖を引いた分」です。たとえば、LDKが16帖なら「16帖－6帖＝10帖」、20帖なら「20帖－6帖＝14帖」がリビングやダイニングのスペースとして使えます。

使えるリビングの広さを事前に算出し、下記イラストのような間取り図を描いてみることで、家具の配置や動線のイメージがより具体的になります。

リビングの形も正方形・長方形・変則型などさまざまなので、アイランドキッチンとのバランスを細かく検討しましょう。

【弊社事例】アイランドキッチンの間取りおすすめ6選

ここでは、実際にゼロリノベが手掛けた、アイランドキッチンのあるLDKの間取りを厳選して紹介します。アイランドキッチンを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

1.リビング全体が見渡せるアイランドキッチン

スクロールできます

洋室×2・和室・リビング・キッチンの3LDKの構成を、リノベーションでは洋室・和室の壁を取り払い、リビングを約22帖の巨大空間に。

リノベ前のキッチンは独立した個室でしたが、リノベ後はアイランドキッチンをリビング中央に設置。

明るい陽光に包まれたキッチンは作業台もゆったり。使いやすくなったことで、料理をする機会がぐんと増えたそうです。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

見晴らしキッチンのあるおうち

CONCEPT

2面のバルコニーに接する広々リビングは開放感を味わいながら、近い将来予想されるお母様との同居を見越して間取りにひと工夫。造作棚を移動させることで広いリビングはそのままに、ゆるやかな間仕切りで風と光が抜ける居心地のよい個室を追加することができます。

基本情報

建物タイプマンション

広さ74.32m²

築年月2002年02月

居住人数2人

※費用は引き渡し当時の金額です

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2.キッチンが主役のアイランドキッチン

スクロールできます

元の間取りでは、20帖のLDKに窓向きのペニンシュラキッチンがあり、眺望は良いものの家族とは直角でやや孤立感がありました。

リノベ後はリビング向きのアイランドキッチンに変更し、LDKの中心で家族と対面できる配置に。

背面には食器棚を設け、壁から90cm以上の距離を確保したことで、調理中も後ろを家族が通れてストレスなく作業できるようになりました。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

キューブと団らん

CONCEPT

大きくて真っ白なアイランドキッチンがあるLDKで家族団らん。一角には箱を意識した小上がりの寝室があり、回遊動線でリビングからも書斎からもアクセスできます。回遊動線はキッチン、パントリー、水回りも。ストレスフリーで暮らせる、家族のためのリノベーション。

基本情報

建物タイプマンション

広さ78m²

築年月1974年03月

居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

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3.細長リビングのアイランドキッチン

スクロールできます

細長いLDKでも、アイランドキッチンを部屋に沿うよう横向きに置けば、広々とした作業スペースを確保できます。

この事例では、キッチン横にリビング、背面に冷蔵庫と食器棚を配置し、動線も良好。仕切り壁を取り払ったことで奥まった位置でも明るさを確保しています。

前面を無垢材の床と合わせ、空間に統一感を持たせた点も、心地よいリビングづくりのポイントです。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

家族のためのぬくもりハウス

CONCEPT

白い箱の中に無垢材の家具や床を使用した温かみと落ち着きのある、作り込みすぎないことを意識した空間に仕上げました。2つの動線が行き来できる回遊性のあるプランニングは、洗面からWIC、寝室に続く裏動線のある機能性抜群なお住まいです。

基本情報

建物タイプマンション

広さ75.85m²

築年月1980年03月

居住人数4人

※費用は引き渡し当時の金額です

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4.回遊性のあるパントリー付きアイランドキッチン

スクロールできます

収納不足が悩みだった3LDK・88㎡の住まいを、回遊性のあるアイランドキッチン＋パントリー付きにリノベーション。

洋室や納戸、ウォークインクローゼットの壁を取り払い、アイランドキッチン背後にパントリーを配置しました。

リビング中央にキッチン、背面に90cmのゆとりを持たせた収納兼作業スペースを設け、振り向くだけで食器や食材を取り出せる効率的な動線に。

キッチン自体はコンパクトになったものの、動線と使い勝手の向上で狭さを感じない仕上がりです。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

上質×インダストリアル

CONCEPT

人が集まれる広いリビングダイニングに、隣接する寝室は大きなガラスの引き戸で仕切ることで、より一層開放感が味わえます。ご夫婦はもちろん、大きなワンちゃんものびのびと過ごせるよう、2つの回遊動線を計画しました。

基本情報

建物タイプマンション

広さ88.08m²

築年月1980年04月

居住人数2人

※費用は引き渡し当時の金額です

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5.見晴らしの良いセパレート型アイランドキッチン

スクロールできます

元はLDK奥の6帖和室だった空間を取り払い、約17帖のリビングに拡張。そこに一段高くして見晴らしを良くしたセパレート型アイランドキッチンを設置しました。

シンクと作業台はアイランド側、コンロは背面壁に独立配置し、動線もスムーズ。

ご夫婦2人暮らしのためコンパクトなキッチンを採用し、こだわりの器具や食器だけを選んで壁面収納に収め、すっきりとした空間を実現しています。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

wood frame

CONCEPT

夫婦はアウトドアが好きだけど元来インドア派。それでも家の中にいるだけでは飽きてしまう。そこで、室内外の境界を曖昧にし、移動や視線の抜けを工夫して、各空間を楽しみやすく飽きのこないビュッフェのような空間デザインを目指しました。

基本情報

建物タイプマンション

広さ70.54m²

築年月1995年01月

居住人数2人

※費用は引き渡し当時の金額です

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6.使い勝手の良いアイランドキッチン

スクロールできます

約70㎡・3LDKの住まいをリノベーションし、和室を撤去してアイランドキッチンを家の中心、玄関近くに配置。買い物帰りにすぐ作業台へ荷物を置き、冷蔵庫や収納棚に直行できる便利な動線を実現しました。

背面に食器棚を設け、振り向くだけで食器を取り出せるため調理効率も向上。キッチンと壁の間には2人が立てるゆとりを確保し、ダイニング・リビング間の移動もスムーズに。

家の真ん中にあることで、暮らしの基本動線が自然にキッチン中心にまとまっています。

ゼロリノベのリノベーション施工事例

ゆるく繋がるプライベート空間

CONCEPT

ライフスタイルの変化に対応できるよう、シンプルな住まいを希望されたKさまご家族。部屋の中央に配したキッチンを基点にぐるりと回遊できる動線になっており、日々の家事ストレスを解消。家族とコミュニケーションもとりやすく、シンプルであたたかみある住まいになりました。

基本情報

建物タイプマンション

広さ70.79m²

築年月1974年07月

居住人数3人

※費用は引き渡し当時の金額です

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リノベ費用を算出して施工事例を見てみる

ゼロリノベでは業界では新しい「定額制」でのリノベーションを行っています。下記はリノベーション費用のシミュレーターです。リノベーション予定の平米数から、リノベーション費用のおおよその金額を算出します。また、その金額とマッチする施工事例を紹介しているので、ぜひお試しください！

アイランドキッチンの間取り設計で気を付けたい注意点3つ

アイランドキッチンは開放感があり、家族とのコミュニケーションを楽しみやすい魅力的なレイアウトですが、間取りを決めるときにはいくつか押さえておきたい注意点があります。

快適で使い勝手の良いキッチン空間をつくるために、事前にチェックしておきましょう。

1.収納と配置で差がつくアイランドキッチン

アイランドキッチンは、本体のサイズや家族人数によって必要な収納スペースが大きく変わります。とくに家電や食器が多い家庭では、補助的な収納の有無が使い勝手を左右します。

カップボードは炊飯器や電子レンジなどの家電、食器棚は家族分の食器やストック食材の整理に効果的です。吊り棚やパントリーを設けるプランもありますが、ここではカップボードと食器棚に絞って必要度をまとめました。

【収納アイテムの必要度と選び方のポイント】

• 「180cm」などコンパクトなタイプは、1〜2人でもカップボードが必須。人数が増えれば食器棚も追加した方が快適
• 標準サイズ（250cm）は、3人以上ならカップボード・食器棚のどちらも必要性が高い
• 大型サイズ（300cm以上）は収納力のあるタイプなら、補助収納なしでも十分な場合もあり

【配置で快適性アップ】

補助収納はキッチン本体のすぐ近くに配置することで動線が短くなり、日々の家事効率が大きく向上します。

特に食器棚やカップボードとの間には、人がすれ違うのに十分な80〜90cmの通路幅を確保しましょう。このスペース設定と設置場所の工夫が、収納不足によるストレスや安全面の悩みを未然に防ぎます。

2.アイランドキッチンのコンセント不足に要注意

キッチンでは使う家電が多く、同時に複数使う場面も多いため、アイランドキッチンは特にコンセント不足を感じやすい傾向があります。​

【よく使うキッチン家電例】

• 炊飯器
• トースター
• ジューサーやハンドミキサー
• コーヒーメーカー
• 電気ポット…など

一方、足りない分を延長コードやタコ足配線で補うと、コードに足を引っ掛けて転倒したり、踏まれて損傷した配線から感電・火災事故が発生するリスクがあります。特にキッチンは水や油がはねやすいため、コードが濡れることで感電するおそれもあり注意が必要です。

そのため対策としては、カップボードやキッチン側面・背面・床埋込み型など、使う場所や動線に合わせて適切な数と配置でコンセントを確保しましょう。シンクやコンロから最低20cm以上離し、水や油はねの危険や、動線を妨げない安全な設置を心がけることが大切です。

3.水・油はね対策とスペース確保

アイランドキッチンは四方が開放されている分、水や油のはねが床や家具に飛び散るリスクがあります。特にコンロ・シンクの前は通路にもなるため、掃除がしやすいよう広めのスペースを作っておくのがおすすめです。

ダイニングテーブルや椅子、ソファはキッチン前に近づきすぎないよう配置し、水や油はねガード（パネルやガラス製オイルガードなど）を活用するのも効果的。

飛び散りやすい箇所には掃除しやすい床材を選ぶ、料理後はすぐ拭き取る習慣をつけるなど、家事ストレスの軽減につながります。

まとめ

アイランドキッチンの計画では「本体サイズと周辺スペース」「効率的な動線」「部屋全体のバランス」に加えて、収納やコンセント不足、水・油はねへの具体的な対策も重要です。暮らし方や家族構成に合ったレイアウトと設計で、毎日快適なキッチン空間を作りましょう。

リノベーションでアイランドキッチンを検討中なら、物件探しから設計・施工・アフターフォローまでワンストップでサポートする「ゼロリノベ」にぜひご相談ください。専門家による無料オンラインセミナーも随時開催していますので、ご気軽に参加して理想の住まいづくりにお役立てください。

北欧風のおうちは、アイランドキッチンの「明るさ・広さ・家族の会話を楽しむ空間」を活かせるスタイルのひとつです。実際に北欧風リノベの事例を見て、理想の住まいづくりのヒントにしてみてください！

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編集後記

小野

回遊動線が魅力のアイランドキッチン。私のリノベーションした自宅は壁付けキッチンですが、キッチンの対面に食器棚を兼ねたカウンターを造作してもらいました。カウンターを中心とした回遊動線は本当に快適なので、アイランドキッチンにも憧れがあります（笑）

薮

我が家のリノベでは、換気扇の取り付け位置が要因でアイランドを泣く泣く諦めることに…。結果的にはキッチンパネルがつくことで油ハネ防止になり、満足しています。構造的にアイランドキッチンが採用できるかどうか、難しい場合のプランも含めて確認・検討しましょう。